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【自己イメージ】赤ちゃんのダブルタッチ・ハンドリガード・リーチング

【自己認識】赤ちゃんのダブルタッチ・ハンドリガード・リーチング

この記事のまとめ

0歳から、「命」は成長しています。

ダブルタッチ:自分の身体があることを知る

我が身体は、赤ちゃんにとってまさにもっとも身近な対象そのものである。その我が身体が違うことは、早くからダブルタッチ(double touch)という感覚の二重構造を通して識別しているのではないかという。(略)じぶんでじぶんの声を聞くというのもそうである。(『〈わたし〉の発達ー乳児が語る〈わたし〉の世界』p.8)

ハンドリガード:自分の身体があることを知る

環境内にある自己(situated self)の感覚は、子どもの活動が活発になるにしたがってより明らかなものになってくる。生後3ヶ月頃から、乳児は自分の足をつかんで目の前にもってきてしげしげ見つめる。また4、5ヶ月には、しばしばハンドリガード(hand regard)と呼ばれる現象を目にすることもできる。顔にかざしたじぶんの手をさまざまに変化させながらみつめ、最後にその手を口にくわえる。あたかも、見える手とうちから感じている手を同一化していくかのような行為である。まさに、対象として見てている手が同時に内から感じている手でもあるという我が身体の発見である。それは手の動きの視覚と、自己の筋肉感覚的(kinesthetic)や内需要感覚(proprioceptive)との対応に気づくことである。このように子どもは、自らが自由に動かせる発動的な作用主としてのまとまりある自己の身体に気づくと同時に、意のままにならない他者の身体を発見してくことにもなる。(『〈わたし〉の発達ー乳児が語る〈わたし〉の世界』p.10)

リーチング:自分の身体の限界を知る

生後4、5ヶ月までには首が座り、椅子に座らせると一人で在姿勢をとれるようになってくる。すると手が自由になり、リーチング(手伸ばし行動)による探索が出現する。さらに生後6ヶ月頃までには、目の前の対象に手が届くかどうかを正確に判断することができるようになる。そして、乳児はじぶんの在姿勢を制御できる程度に応じて、じぶんが手を伸ばして掴みうると判断する範囲が広がるという。(略)さらに別の例をあげよう。乳児に軽い腕輪(2g)と思い腕輪(200g)のいずれかを手首に装着させる。思い腕輪をつけるとバランスを失わずに手がとどく範囲は制約されてしまう。生後5ヶ月頃には、思い腕輪をつけているときには、普通の状態でもやっと届く距離やそれを超える範囲にある対象には手を伸ばそうとしなくなる。これは、自己の身体が外界の対象に及ぼしうる効果性をみつもり、それに従ってじぶんの行為を調節できることを示している。(『〈わたし〉の発達ー乳児が語る〈わたし〉の世界』p.10)

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