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ホランドの6タイプと自己の中心とまわりの花びら【SQを高める民主主義】

「命」と「私」

ホランドの6タイプと自己の中心とまわりの花びら【SQを高める民主主義】

ホランドの6タイプ【「あなた」は一人ではない】

この記事のまとめ

「自己」は、いくつかの花びらをもっています。

「自分は今、どんなタイプで、どんな部分が弱いのか」

「自分の強みは、どの部分を誰かに補ってもらうことで、もしくは自分で補うようにして、さらに強まるのか」を考えるコンパスです。

 

心理学者のコフートは、〈自己の充実〉を助けてくれる人を3タイプに分けました。

心理学者コフートの自己心理学

『SQ 魂の知能指数』でダナー ゾーハーとイアン マーシャルは「自己」をさらに6タイプに分けることを提案しています。

例えばこの6種類の一つ一つの強さが、人間関係をつくる「ひき」の強さに対応すると考えたら、わくわくしませんか?

一枚めの花びら―因習的なタイプ

とびぬけて因習的なタイプというホランドの基準を満たすのは一○ないし一五パーセントの人だ けだが、ほかの人もたいていこの特性を二番めか三番めの性質として持っている。因習的なタイプ は用心深く、順応性が高く、理路整然としている。有能で良心的だが、同時に言い訳がましく、柔 軟性に欠けることもある。引っ込み思案で、ショックをあたえたり、おおぜいのなかで目立ったり するのを好まない傾向がある。従順で規律正しく、ねばり強く、実際的でつましいが、同時にとり すましていて想像力が欠如していることもある。しきたりに従うのを好むこのタイプは、芸術的な タイプとはまさに正反対である。因習的なタイプにぴったりのものとしてホランドが提案している 職業には、受付係、秘書、事務員、コンピューターのオペレーター、会計士などがある。

二枚めの花びらー 社交的なタイプ

社交的なタイプはいちばん大きいグループを形成している。三〇パーセントの人がこのカテゴリ ーに入り、男性より女性が多い。社交的なタイプは人間が好きで、他人とつき合うのを楽しむ。友 好的で太っ腹、面倒見がよくて親切だ。このタイプの人は、他人に感情移入するのが得意である。 非常に話術が巧みなこともある。辛抱強く、人に協力するのはごく自然なことだと思っている。ホ ランドによれば、このタイプは理想主義的で責任感が強く、如才がなくて温かだ。誰を相手にして も、とてもいい教師になる。セラピストやカウンセラーはたいていこのタイプで、経営コンサルタ ントなどもこのタイプが多い。社交的タイプはごく自然に愛情あふれる家庭人にもなる。

三枚めの花びら―学究的なタイプ

学究的なタイプは人口の一〇ないし一五パーセントを占める。名称が示すように知識に夢中にな り、知識を深く追究するのが大好きだ。すべての性格タイプのなかでこのタイプがいちばん道理を 重んじ、インテリの典型ともいえる。分析を好み、軽薄ではなく、好奇心が強く、几帳面だが、ア イディアや他人をこき下ろすこともある。社交的タイプが人混みを好むのに対し、学究的タイプは通常、自分自身と向き合う時間を必要とする。内省的で遠慮深く、出しゃばらない。用心深く控え めで、感情に流されないよう努力する。あまりにも独立心が強く、人から嫌われてしまうこともあ る。学究的タイプが集まる職業としては、科学者、医師、翻訳者、測量技師、研究者などがある。 知的専門職の人はたいてい、性格のなかにこの学究的タイプの要素をかなり持っている。大学教授、 とくに研究を専門としている大学教授は、このタイプのいい例である。

四枚めの花びら―芸術的なタイプ

因習的なタイプの対極にあり、しばしば学究的なタイプとは相容れない(ときにはおなじ芸術的 なタイプ同士で相容れない)。芸術的なタイプは、人口の一○ないし一五パーセントを占める。こ の厄介な人種は往々にしてだらしがなく、感情的、衝動的で、実際面にはうとい。芸術的なタイプ が理想を追いもとめると、無我夢中になることがある。風車に立ち向かうドンキホーテのようなも のだ。学究的なタイプ同様、芸術的なタイプも独立心が強く、内向的だが、想像力を大胆に働かせ、 それを表現するのに苦労しない。一般社会の規範に従わず、非常に独創的なこのタイプは、直観的 で、感じやすく、あけっぴろげなので、人気が高いこともよくある。この人種は作家、音楽家、画 家のなかによく見られるが、また優秀なジャーナリスト、デザイナー、美術評論家、俳優にもなり得る。

五枚めの花びら― 現実的なタイプ

現実的な性格の人は地に足がつき、ばかげたことを許さず、むだ口をたたかない。こういった頭 の固い、唯物論的な、非常に実際的なタイプは人口の二〇パーセントほどを占め、女性より男性の ほうがずっと多い。このタイプはべたべたした人間関係を好まず、社交的なグループを避け、偉そ うな態度をとることはまずない。立前より本音を重んじる。口をきくときは率直に話すが、体制順 応的になりがちで、柔軟性に欠けることもある。独創的な洞察をすることはあまりないが、ねばり 強く、つましい。ホランドが,正常,と評しているのはこのタイプだけである。こういった現実的 な性格は実践的な職業を好み、仕事仲間が機械ということもよくある。このタイプはドライバー、 パイロット、整備士、コック、農業従事者、エンジニアのなかによく見られる。社交的な性格とは 正反対だが、現実的なタイプは社交的なタイプと結婚するとうまくいくことが多い。たがいに相手 を補って完全になるからだ。

六枚めの花びら―積極的なタイプ

非常に自信たっぷりで外向的なこのタイプは、人口の一○ないし一五パーセントを占める。意欲的で人当たりがよく、野心的だが、傲慢になることもある。冒険好きでエネルギーに富み、興奮を もとめる。飛びまわるのが好きで、ものごとを極端に受けとめることもある。通常、とても楽天的 で、どんなことでも試してみようとし、自信満々。また、他人をその気にさせるのがうまい。非常 に社交的で、話し好きである。当然ながら、政治家はこのタイプである確率が高い。セールスマン、 重役、管理職、中小企業の経営者についてもおなじことが言える。このタイプは警察や軍隊のなか に見かけられる。

花をよく見ると:自分の中の民主主義

この記事のまとめ

「あなた」の中にいる「あなた」の声に耳を傾けてみませんか。

花びらは、一箇所から出てきます。その中心と同じものが、人間にもある、という考え方です。

外側の花びらだけをみていたら、自分の本当の「本音」や「本気」「本心」を感じられなくなるでしょう。「変わりたい」とも思えないでしょう。「価値」を問うこともできないでしょう。

自己の中心は、命の根源であって、命という神秘の棲家です。

「自分は本当はどう生きたいのか」

バランスを取る

ハスの花のイメージでいうと、自分は真ん中に座ります。自分の中心から眺めると、自分のいろいろな「断片」が見えてきます。「6つのタイプ」「6つの動機」と書いたのも、その強弱を見ることで「今、私が違和感を感じているのはどうしてか」を物語る役に立つからです。「自分はこのタイプだから、このタイプに合った生き方をする」のではないのです。

「美しい花」「素敵な人生」「命の輝き」のための、バランスです(もちろん、一人では難しければ、誰かに助けてもらってバランスをとることだってできます)。

曼陀羅の目的は何なのだろう?(中略)人は自分のなかで起きていることに”左右される”のではなく、自分のなかで起きていることを左右するために曼陀羅について黙想する。曼陀羅について黙想しているあいだは、内面の形態を意のままに組み立てたり消し去ったりすること ができるのだ。人は(中略)宗教の教義を”習う”のではなく、自分自身の中心に鎮座する釈 迦になるために黙想する。(『SQ 魂の知能指数』ダナー ゾーハー, イアン マーシャル p.218)

積極的自己責任をもつ、環境のせいにしない、自分を世界の中心に置く、誰かに、自分の命の権利を渡さない。

そうした命の強さに、自己の中心は関わっています。

SQが高くなっていれば、わたしたちの性格にはリーダー的なものが少し、芸術家的なものが少 し、知的なものが少し、登山家的なものが少し、親の慈愛のようなものが少し、といった具合に、 さまざまなものが少しずつあらわれてくる。想像力は軍神マルスと美の女神ヴィーナスの両方によ って、そして使者の神マーキュリーと農耕の神サターンの両方によってかき立てられるようにな る。男性的なものと女性的なもの、子供っぽいものと賢い大人のものをいくらかずつ兼ね備えるよ うになる。SQが低いと、わたしたちは人間的にも情緒面でもゆがみ、健全な人間の反応とは違う 乱れた感情のパターンを示すようになる。そして反応自体が、かぎられたもの、寸断されたものに なる。(『SQ 魂の知能指数』ダナー ゾーハー, イアン マーシャル p.231)

自分の中で、一人の人間としてどれだけバランスが取れているか。

性格?とSQ:人間性の成熟に必要な民主主義【ラスコーリニコフの罪】

この記事のまとめ

「自己」が充実するには、さまざまな「他者」が必要です。

『SQ 魂の知能指数』でダナー ゾーハー, イアン マーシャル は6つの性格とSQの関係を説明しています。ホランドの適職診断テスト、で有名な6つの性格です。

□ 因習的タイプ

□ 社交的タイプ

□ 学究的タイプ

□ 芸術的タイプ

□ 現実的タイプ

□ 積極的タイプ

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「変わる」ためのてほどき

自分の「いいところ」自分の「長所」はわかりやすいかもしれません。けどそれを「どこでどうつかったらいいのか・・・」わからないものです。

私が韓国で演劇をしていた時、舞台に立つ日の朝、「ああ、今日は調子が悪いな」というときがありました。その時に私が心に感じたことは「だから今日は、他の俳優たちの演技の手助けをすることに専念しよう」ということです。

この図を見て、テストをしてみて、自分が「弱い」場所は、もしかしたら、「強い」自分を応援してくれるかもしれません。「行き詰まり」を感じたら、自分が触れることが苦手だった自分を励ましたり、応援することでSQが高まるかもしれません。

これらの性格タイプは正反対のものと対になっている。芸術的な人は因習的な人と興味や好みや 能力が大きく違い、現実的な人は社交的な人とまったく違う資質を持っている、というふうに。だがほかの性格テストとは異なり、ホランドのテストは柔軟性があるので、ひとりの人間がふたつ、 三つ、あるいは四つの別々の性格で高得点をあげることもあり、ときには正反対の性格タイプにつ いて高得点をあげることさえある。芸術的タイプとしてのわたしは実際面にうとく、衝動的かもし れないが、プロのビジネス講師というもっと因習的な役割のなかでは有能で整然としているかもし れない。科学者は用心深くて正確(学究的タイプ)かもしれないが、それでも山登り(積極的タイ プ)やパーティに行く(社交的タイプ)のを楽しむこともあるだろう。

じつを言えば、あとでわかるように、複数のカテゴリーの特性を示す(ハスのさまざまな花びら と結びつく)傾向は、その人間が成熟し、高いSQを持っているしるしなのだ。非常に未成熟な人 間は、ひとつのエゴのスタイル(ハスの一枚の花びら)しか発達させていないかもしれない。だが 完全に啓発された(高いSQを持つ)人間は、六つのスタイルすべてをあわせ持つ、バランスのと れた性格を示すだろう。

ここで提示されているハスの花とはいわば地図であり、その地図を頼りにさまざまなエゴの 特性をぐるりとたずねまわれば、よりバランスのとれた性格をめざすことができる。〈自己のハス の花〉が曼陀羅に似ているというのは、とくにこの点においてなのだ。(『SQ 魂の知能指数』ダナー ゾーハー, イアン マーシャル p.176)

ラスコーリニコフの「罪」

ドストエフスキーの『罪と罰』の主人公、ラスコーリニコフは自分の「知的で論理的で合理的な」考え方の正しさを社会にぶつけ、殺人を犯しました。

人間の全体性をとらえられず、ただ「一つの花びら」だけを咲かせることしかできなかったこと。私はそれが彼の「罪」であったと思うのです。彼は「命」の花を、咲かせることができなかったのです。

誰か別の人と一緒になって「花」の全体となれたなら、仲間がいたなら、、、

 

大人になってからこそ、「成長する」SQ

社会に出て、いろいろな人と出会って、いろいろな出来事があって、初めて「自分」の姿が見えるかもしれません。

100年を生きる時代、自分の命をどのように燃やすのか、命を、誰かの輝きのために使うのか、あなたが生まれた意味は何か。そういった問いを立てられる人が一人でもふえれば、世界はもっと楽しくなるはずだと私は信じています。

大人になりたてのころ、わたしたちはたいてい、環境や人間関係を自分の性格に調和させるため、 戦略を見つけようと夢中になっている。だがのちに、俗に言う中年の危機のあいだに、多くの人が 自分の性格をさらに育て、もっとバランスがとれるようにしようとする。このさらなる成長のプロ セスをユングは”個性化”と呼び、人生の精神的な次元と結びつけた。このような成長こそが、も ちろんSQの目標でもある。(『SQ 魂の知能指数』ダナー ゾーハー, イアン マーシャル p.182)

星占い?ホランドの6つのタイプと星と神

この記事のまとめ

イメージを持つことで「自己」を発見することも悪くありません。

昔の人は世界のいろんなものを「象徴的に」眺めていました。そして世界観のなかにその「象徴」を取り込んできました。神やら星やらと、カルトくさい、嘘くさい、とおもうかもしれませんが、「イメージ」をうまく利用して自分の物語をつくっていきましょう。

因習的なタイプー土星

因習的なタイプと、その集団志向という動機のルーツは、土星に関連した性質からきている。オ リンポスの神々より古く、非常に動きの遅い惑星である土星は、着実さ、形態、構造、バランスを 象徴している。因習的なタイプは社会をまとめる接着剤なのだ。

これはユングの元型で言えば、〈部族〉にあたる。つまり彼が“結合の神秘”と呼んだもので結びつき、グループの一員であると漠然と自覚して、グループに溶けこむことなのだ。この集合無意 識は、どんなに独立心の強い大人にとってもいくらかは必要である。これがなければ、いかなるグ ループに対する帰属感も生じえない。

社交的なタイプー金星ー母

社交的なタイプと、そのおもな動機である情愛は、金星と関連している。金星、すなわちヴィー ナスはローマ神話の愛の女神で、ギリシア神話のアフロディテに相当するが、もっと昔の〈偉大な母〉と呼ばれる女神たち、たとえばアシュタルテなどから派生したものである。ヴィーナスは恋人 たちの情熱に火をつけ、はぐくみ、庇護する。〈偉大な母〉というユングの元型も、このような養 育し、庇護する性質を象徴している。

学究的なタイプー水星ー子

好奇心がおもな動機になっている学究的なタイプは、水星と関連している。ローマ神話のマー キュリー(ギリシア神話のヘルメス)は神々の若き伝令官で、ジュピター(ゼウス)のメッセージを人間に伝えていた。また魂を黄泉の国(より深い知識の源)に導くガイドでもあり、たまには黄 泉の国から魂を連れ帰っていた。子供っぽくて変わり身のはやい神であり、〈永遠の子供〉という ユングの元型と結びつけるのはたやすいだろう。ユングの〈永遠の子供〉もまた魂のガイドなの だ。

創造的なタイプー月ーシャーマン

創造性を深い動機とし、既存の現実を変えずにはいられない芸術的なタイプは、つねに変化する 月 (ローマ神話ではダイアナ、ギリシア神話ではアルテミス)と関連している。暗闇で輝く月は、深い無意識のなかの直観力と知識のシンボルであり、暗闇のパワーを象徴している。暗闇のパワー そのものはつねに創造性や、黄泉の国で見つかる宝や、魔法や変革と関係がある。芸術的なタイプ は自分自身の奥底から、みずからのエゴを超えたところから、合理性や論理を超えた知識の源から 創造性を得ているのだ。

古代ギリシアでは月は、創造をたたえる恍惚の儀式、荒々しいダンス、感情と自由に遊ぶことか ら得られる洞察と関連づけられていた。これと関係のあるユングの元型は〈女司祭〉である。この 賢い女性は白魔術と黒魔術の両方を駆使し、死と再生(月の満ち欠け)の、ひいては変革の守護者 である。ユングたちはまたこの元型をシャーマンと結びつけている。意識のさまざまな世界を旅し、 悩める人々のもとへ癒しや変革を持ち帰ってくる賢い男女だ。

現実的なタイプー火星ー英雄

苦労して物質的なものを達成することに心惹かれる現実的なタイプは、火星、すなわちローマ神 話のマルス(ギリシア神話ではアレス)、戦争の神と関連づけられる。マルスはとくに知的でもな ければ他人に感情移入するわけでもないが、じつに忍耐強く、勇気がある。これに関連するユング の元型は、闇の軍隊(影)と苦闘して自分や他人のために宝を勝ちとる〈英雄〉である。

積極的タイプー木星ー父

自己主張をおもな動機とし、大きな計画や政治的ゲームを好む積極的なタイプは、ローマ神話の ジュピター(ギリシア神話ではゼウス)、神々や人類の父である偉大な王と関連づけられる。ジュ ピターは空と風と実りをもたらす雨の神だった。力強く、機知に富んでいたが、気むずかしくて、 高圧的になることもあった。どんな政治家もそうだが、彼も壮大な計画を企てるのが大好きで、悲 惨な結果になることもしばしばだった。これに該当するユングの元型は、〈偉大な父〉、リーダーシ ップと権威のシンボルである。

ホランドの6タイプとチャクラと「動機」

6つある「動機」を生み出す命のエネルギーを「チャクラ」というものに対応させることができます。「チャクラ」のバランスが崩れていて、大事な「個性」がでてこない、ということがあるとおもえば、人間の全体性を「チャクラ」から眺めることは有意義だとおもいます。

チャクラは上から下で一直線になっていますが、下が劣っていて上が優れている、ということはありません。それぞれのチャクラがバランスよく働いて、一人の人間の全体性が見えてきます。あるチャクラが弱っていたら、うまくいかないこともあるでしょう。

因習的なタイプー根のチャクラ

精神的エネルギーの深い源について言えば、因習的なタイプはインドのチャクラのうち第一のも の、肛門と生殖器のあいだにある根のチャクラに関連している。ヒンドゥー教においてこのチャク ラは、四枚の花びらを持つハスの花としてあらわされ、大地の力強さや堅さ、充実を象徴する象に 結びつけられる。しかし、神話と神話学の二十世紀の権威ジョゼフ・キャンベルが言っているよう に、象は、有罪を宣告されて地上を歩くようになった雲でもあり、この状態から解放されれば上昇する」のである。

根のチャクラは、いちばん低位の精神的エネルギー、活気がなく、受け身で、広がりたいという はっきりした衝動を持たない精神的エネルギーを象徴している。このレベルの意識は、もっと高い ものになるために呼び覚まされなければならない。著述家のなかには根のチャクラを、安心と支え―安定した発展をつづけるための基盤――を必要とする幼年期と関連づける人もいる。著述家の の キャロライン・メイスはこれを、キリスト教の洗礼、つまり子供を人間の社会へ導入する儀式と関連づけている。

社交的なタイプー仙骨のチャクラ

精神的エネルギーの深い源について言えば、社交的なタイプは第二のチャクラ、生殖器のすぐ上 にある仙骨のチャクラに関連している。六枚の花びらを持つ朱色のハスの花であるこのチャクラは、 水と結びついている。ここでのおもなエネルギーはセックスと親心であり、性交や生殖能力や結婚 の儀式のなかで直接的に表現されることもあれば、もっと広いボランティア活動のなかに昇華され ることもある

なかにはこのチャクラをセックスのパートナーや親しい家族に対するごく自然な反応、共感や養 育などに関連づける人もいる。このチャクラのエネルギーが異常をきたすと、病的にセックスに固 執することになりかねない。フロイト派の心理分析はすべての心理を、あたかもこのレベルにとど まっているかのようにあつかう傾向がある。

学究的なタイプー鳩尾のチ ャクラ

精神的エネルギーの深い源について言えば、学究的なタイプは第三のチャクラ、つまり鳩尾のチ ャクラからエネルギーを得ている。十枚の花びらを持つハスの花として描かれるこのチャクラは、 火のような心と光、世界を支配して自分のなかにとりこむという目標、そしてパワーと結びついて いる

そのマークは火を内蔵する白い三角形であり、両側にかぎ十字がついている。ここでのエネルギ ーは、独立しよう、自信を持とうという試みと結びついている。フロイトのいう潜在期のように、 感情やセックスにかかわる問題はここでは二の次になり、もっと知的で積極的な活動、達成や征服 などが優先される。

芸術的なタイプー心臓のチャクラ

このタイプの精神的エネルギーの深い源は、第四のチャクラ、心臓のチャクラと関連している。 ジョゼフ・キャンベルや彼の情報源であるヒンドゥー教徒によれば、最初の三つのチャクラは現世 に―地域社会への帰属とか、セックスや親心とか、個人的な知識や権力の獲得とかに―――関連し ている。だが心臓のチャクラのエネルギーがあれば、わたしたちはもっと高尚なものごとに関心を 持つようになる。 十二枚の赤い花びらを持つハスの花として描かれ、四元素のひとつである気に結びつけられてい る心臓のチャクラは、思考と感情が出会う場所であり、ここでわたしたちは他人や新しいできごと に心を開き、美や深い理想主義のような感覚が広がっていくのを経験する。

現実的なタイプー咽喉のチャクラ

このタイプの精神的エネルギーの深い源は、第五のチャクラ、咽喉のチャクラにもとづいている。 このチャクラは、瞑想による悟りというもっと高い目的のために、最初の四つのチャクラの力とエ ネルギーを整列させるよう努力することと関係がある。くすんだ紫色の十六枚の花びらを持つハス の花として示される咽喉のチャクラは、ヒンドゥー教のシヴァ神と関連している。両性具有の姿を とり、虎の毛皮をまとったシヴァ神は、三叉の矛、戦闘用の斧、刀、そして雷光を振りかざしてい る。著述家のなかには第五のチャクラを、大人になってからの人生の厳しい現実や、困難を耐えぬく 意志と関連づける人もいる

積極的なタイプー眉間のチャクラ

積極的なタイプは深い精神的エネルギーを第六のチャクラから、すなわち眉間のチャクラから得 ている。眉間の少し上に位置しているこのチャクラは、二枚の純白の花びらを持つハスの花として 描かれている。この白いハスの花に坐っているのは六つの頭を持つ女神ハキニだ。この女神は、恐 怖を追い散らし、恩恵を授ける身ぶりをしている。

ジョゼフ・キャンベルに言わせると、このチャクラの段階でその神秘を目の当たりにしたヒンド ゥー教の学者たちは、神の姿を見てすっかり圧倒されるという。だが眉間のチャクラを知恵や成熟 など、中年の危機のあいだに浮かびあがることが多い難題と結びつけた学者もいた。このチャクラ の段階に達した人は、すでに世俗的な成功を達成しており、自分が属している文化のより深いシンボルや意味にかかわることを通じて、人生の意味を発見して表現しようとする。

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