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【共感する0歳】人間への信頼と関心・コミュニケーションの基礎

【共感する0歳】人間への信頼と関心・コミュニケーションの基礎

よくわかる情動発達問いからはじめる発達心理学ことばが誕生するとき―言語・情動・関係なるほど! 赤ちゃん学―ここまでわかった赤ちゃんの不思議―

0歳以前の基礎

妊娠4ヶ月 身長8cm、体重25kg。胎動・おしゃぶりを始める。羊水を飲み込む嚥下反射。
胎児が自分の顔や母親の子宮壁、臍帯に触れる。
妊娠7ヶ月 音に反応する。光に反応する。
妊娠9ヶ月 でんぐり返り。

妊娠7ヶ月
母親の声の何かを聞き取り、母親が繰り返し話すと退治の心拍数がゆっくりになる。

胎児期に母体からストレスホルモンが流れてくると脳の発達が阻害される。

0歳から始まる成長:笑う。愛情を注いでもらう。

人間への関心、人間への信頼。

自由・コミュニケーションの基礎。

あなたを見つけてぶつぶついっっている赤ん坊は、「私に話しかけて。いっしょに遊ぼう」と言っている。そっぽを向いている赤ん坊は「疲れているから、しばらくほっといて」と言っている。

次の成長段階へのランドマーク:乳歯が生え始める

7ヶ月〜
乳歯が生え始める。
おすわりをして両手が自由になる。
ぱちぱち・バイバイ・イヤイヤ・コンニチワの動作を真似る。(ミラーリング)

親指と残りの指で、もしくは人差し指と親指で物をつかむようになる。

抱っこする?と聞くと両手を出す。(『乳児保育の基本』)

主体的コミュニケーション

0ヶ月
誰にでも笑う(生理的微笑・自発的微笑)人間の顔に似ているカタチによく反応する。

信号行動 泣いて、誰かが応答してくれないと、「もう無理や」とおもって泣かなくなる。
泣いて、応答してくれると、「俄然、泣く気になる」。

新生児模倣・共鳴動作 大人の表情など真似る。舌を出したら、舌を出し返す。
情動伝染 隣で泣いている子がいたら自分もなく。
生後三日の赤ちゃんでも母親の声を聞き分け、母親の声を聞こうとする。(『ジャストベイビー』p112)

 

1ヶ月
情動状態の制御
出産直後は、ただ泣く。

生後4週間ごろからは、泣いている間にも周りを見回すようになり、なき終わった後も、視覚的な探索活動を行う。(『よくわかる情動発達』p.55)つまり泣いた後の世界の変化をみるようになる。(みずから、意図して泣いたわけではない)「あ、こいつは、使えるな」とか。 泣いて、誰かが応答してくれないと、「もう無理や」とおもって泣かなくなる。泣いて、応答してくれると、「俄然、泣く気になる」。

2ヶ月
人の顔を固視する。顔をしっかり見つめ、笑う。
予測できることに対して、自ら反応する。(着替え)

3ヶ月
笑顔を選択する。主体、能動的な情動になる。

表情・声で感情をやり取りする。相互作用。

人と目を合わせて笑う。(3ヶ月微笑・社会的微笑)他者との交流のきっかけをつくるために、意図的に笑う。盲目の赤ちゃんに(『子供は言語をどう獲得するか』p.23)
お母さんの表情を伺う。
モノを通じて感情を分かち合う。
特定の愛着を持った人に反応する。(3ヶ月微笑)
お母さんが急に「真顔」になると、泣き出す。
生後3ヶ月ごろからは、人の顔に対して微笑が多く生じるようになり、生後5ヶ月ごろまでには養育者など特定の人物に対して選択的により強く微笑むようになります。養育者との遊びの中でははっきりとした微笑や払いが頻繁に見られるようになり、他方、に知らぬ人に対しては相手をじっと見つめた後に微笑を浮かべるが、親に対するものよりも穏やかな微笑を表出することが報告されています。(略)赤ちゃんは、他者に対相手示した微笑が、他者からの関わり(言葉かけや微笑など)を引き出し、そのことが自分に喜びをもたらすことを学び始めると考えられます。(『情動発達』p.51)

6ヶ月?10ヶ月?
生後二ヶ月くらいのときは、オカアサンが静止顔になってしまうと泣き出したり、目をそらしたりするという反応しかできなかった赤ちゃんは、この頃に鳴ると「オカアサン、どうしたの?わらってよ」と言わんばかりにお母さんの顔に触れたり、しきりにお母さんの気をひこうとしたりする行動を示し始めます。(『なるほど!赤ちゃん学』p26)

7ヶ月

乳児の腕を抑えて自由がきかないような事態で、4ヶ月児ならば自分の腕か腕を抑押さえている人を見ながら怒りの表情を示しますが、7ヶ月児は怒りの表情を表出しながらその視線をそばにいる母親に向けて、情動を共有しようとする。(『よくわかる情動発達』p.49)

イナイイナイバアで笑う。「物の永続性」(本当は3ヶ月にはわかっているらしい)

音声言語の発達

新生児
ことばによる語りかけに対して、母語であっても外国語であっても、音節に同調したリズムで身体を動かす。母音だけの連続とか、物理的な打撃音へは動機動作は見られない。(相互同期性)
生後二日で母国語と外国語を聞かせると、母国語の時は吸啜反応が激しくなる。

1ヶ月〜3ヶ月
クーイング(鳩音きゅうおん)。授乳中、乳首を吸っていない時に揺さぶられないと「あー」とおか「くー」という声を出す。乳を吸っていない時、ゆさぶられることを期待する。感情的な声ではない。

2ヶ月
母親の「高い音」に反応し、そのメロディーを音で真似ようとし始める。喃語が生まれてくる前から、模倣している。3ヶ月以降、この傾向が増加する。メロディーとしての響きが、メッセージ。

3ヶ月
のどの形態が変化(ソレ以前は食べ物が吐気反射を起こさないように、鼻から吸うようにできている。また、母乳を吸うことだけに特化するために、口腔の体積は小さいから構音できない。)声をたてて「ハハハ」と笑えるようになる。大人が母音によく応答するため、赤ちゃんは母音を自発的に発する。「あー」「うー」。口で呼吸ができるようになる。

4ヶ月
音声遊び。赤ん坊は音程や音量をいろいろに変えて、きいきい声や叫び声やうなり声のような音を出し、声道のさまざまな箇所を使って独特の「ラズベリー」、有気気息音、鼻鳴らし音を出す。相手が音声を出している時よりも、相手が黙った時に自分が音声を発することを好み(つまり、初歩的な「話者交代」を行なっているわけである)、また他社の発する音を積極的に模倣し、だんだんと本当の会話をしているかの様子が強まってくる。(『子供は言語をどう獲得するか』p.25)

文章の区切り(意味のある塊)がどこにあるかわかる。(『子どもの遊びは魔法の授業』p.116)

6ヶ月
母音以外の音が現れる。母音と子音を組み合わせた基準喃語。「パパパパ」「マンママ」何かを伝えるというより、発音の真似。指し示す言葉に意味はないが、発声する気持ちは受け止めて。
「ダダダ」「バババババ」というのは反復喃語。(早ければ4ヶ月から)

「タァタァ」という言葉を繰り返し聴くと、そのメロディーを覚え、状況から、それが何を指し示すかを割り当て、見る。
メロディーとしての響きが、メッセージ。同じ「タァタァ」でも上昇・下降・平坦でそれぞれ注意要求・抵抗譲渡・呼び掛け叙述といった機能をもつ。
何を伝えたいかによって、メロディーを使い分けている。というよりも、その感情が引き起こす身体状況と声が、統合されている。

8〜12ヶ月では音声的な豊かさのピーク。アメリカと日本の子供に差はない。(『言語発達の心理学』p.74)

 

9ヶ月
6から8ヶ月まではあらゆる音が聞き分けられていたのが、母語で区別されない音の違いを無視しはじめる。
この頃、共同注意ができるようになり、養育者との音のやりとりだけでなく、自分自身と養育者以外の何かを伝えようという意図で音を発するようになる。

10ヶ月
単語をつなげたようなイントネーション・抑揚がついた発声をする。
ジャルゴン。呼気をコントロールできるようになる。

認知の発達:第二次循環反応(道具)

4ヶ月

掴んだり、鳴らしたり。物を使って繰り返し同じことをする。自分の行動の結果を踏まえて、また行為を繰り返す。
物をつかんで落として音がなる。またそのものをつかんで、落として、音をならすことを繰り返す。
自分の手足の動きに合わせて何かが動く状況(足を動かすとモビールが動くこと)がわかる。
「随伴性」(何かが何かに応答する)ことを知っている。

身体の発達:身体の能動的使用による自己概念の形成開始

0ヶ月:脊髄や脳幹が中枢の原始反射

哺乳反射 乳首が口に入ると、くわえる。
探索反射 口の周りを刺激すると、そっちをむく。
吸啜反射 口に物が入ると、舌をリズミカルに動かして吸う。
舌提出反射 形のあるものを口に入れると、下を出して外に押し出す。
驚愕反射(音)。
吸啜反応。自分の指が触っても反応しないが、他の人の指だと反応する。
把握反射。
緊張性顎反射。横を向くとポーズをとる。
モロー(抱え)反射
バビンスキー(足裏)反射(1歳まで残る)
新生児模倣。口の動きを真似る。音だけ訊いて「アー」と「ムー」の唇の形をつくる。

鼻で呼吸している。
肺の容量が小さく筋肉も未発達のため、呼吸数は、大人の2倍(30回)。また脈拍数も2倍の120回。

味覚、嗅覚、触覚はおとなと同じ。
視野は狭く、モノクロ。視力0.01くらい。
焦点距離が20センチくらいしかない。
皮膚刺激(痛覚)は一週間後くらいまではっきりしない。

2ヶ月:ハンドリガード

焦点を合わせられるようになる。波長の長い赤色を識別できる。
ハンドリガード じっと手を見つめ、口にいれたりする。(自分の体の一部を、自分のものとして認識しようとしている。

3ヶ月・4ヶ月:首がすわる・追視とハンドリガード・リーチング

動いているものを目で追うようになる。(3ヶ月)
体重が出生時の2倍になる。【筋肉発達】(3ヶ月)

首がすわる。首がすわったので、首を回して自発的にみれる。自発的にさわる。(4ヶ月)
自発的にさわる。(4ヶ月)

両眼視(立体視)ができるようになる。
掴んだり、鳴らしたり。物を使って繰り返し同じことをする。(4ヶ月)

リーチング 興味あるものに手を伸ばす。
手足を握る・顔を動かす・同じ行動を繰り返す。手足をばたつかせる(バンギング)
遊びー「機能の快」歩くこと自体の喜び。乳幼児期では神経系がもっとも勢い良く発達する。それらを試している。

5ヶ月・6ヶ月・7ヶ月:反射がなくなり自由になる。離乳食の開始・両手を使った遊び。

大脳が発達し、随意動作が増える。
物が隠されてもあることに気付くようになり、いないないばーを楽しむ。「物の永続性(ピアジュ)」
寝返りをうち、移動が可能になる。

ピボットで、360度の方向転換ができるようになる。
自分の拳を動かして目で追ったり、両手両足を舐めながら、自己受容感覚や視覚、触覚の変化を通じて自分の身体を確かめている。

哺乳反射が消える。離乳食の開始。(6ヶ月)
母親から貰った免疫グロブリンGがなくなる。免疫抗体を自分から作り出す。風邪をひきやすくなる(6ヶ月)

両手をついて座れるようになる。(6ヶ月)
日中は起き、夜によく眠るようになる。(6ヶ月)

寝返りを打てる。(6ヶ月)
両手をついて座れるようになる。(6ヶ月)
モノの大小で片手、両手を使い分けて、つかむ。(6ヶ月)
シールを剥がす、積み木を打ち合わせる。穴ぼこに指を入れる。ひっぱりだす。(6ヶ月)

視力が0.1程度になる。奥行きや距離感がつかめるようになる。(6ヶ月)
立体視がうまくなっていくが、まだ両眼視は未熟でものにぶつかったりする。

 

乳歯が生え始める。(7ヶ月)

親指と残りの指で、もしくは人差し指と親指で物をつかむようになる。(7ヶ月)

泣いていないときこそ:0歳からの情動マネジメント

ケイガンの研究は、臆病に生まれついた子供全員が人生に消極的なまま大人になるわけではな い、と教えてくれる。気質が運命を決めてしまうわけではないのだ。適切な経験を与えられれ ば、過度に興奮しやすい扁桃核を制御できるようになる。(略)過度に興奮しやすい扁桃核を持って生まれてきた子供のうち、だいたい三人に一人は幼稚園に は いるまでに臆病な気質が消えている。こうした子供たちのケースを観察してみると、両親とく に母親が重要な役割をはたしていることがわかる。

ケイガンの研究チームが調べたところでは、 母親たちの中には、臆病な我が子をありとあらゆる不安の対象から保護してやるのが親のつとめ だ、という考えの持ち主が何人かいた。他の母親たちは、臆病な我が子が不安な状況に慣れて人 生の小さな波風に適応できるよう手助けしてやるのが親の役割だと感じていた。

親の過保護な姿 勢は、かえって子供の恐怖感を強くしているようだ。たぶん、恐怖を克服する練習の機会を子供 から取りあげてしまうからだろう。逆に「適応を学習」させる子育ての姿勢は、子供を勇気づけ るのに役立っている。

生後六ヵ月の赤ん坊を各家庭において観察したところ、過保護な母親は子供がむずかったり泣 いたりするたびに抱きあげてあやしており、子供に適応を学習させようとする姿勢の母親に比べ て抱いている時間が長かった。赤ん坊の機嫌がいいときに抱いてやる時間と泣いているときに抱 いてやる時間を比較したところ、過保護の母親は泣いている赤ん坊を抱いている時間のほうがは るかに長かった。(『EQ こころの知能指数』ダニエル・ゴールマン p.338)

赤ちゃんは学んでいる。

情動の学習のなかでもとくに重要なのは、心が動揺したときに自分で情動を静める能力だ。乳 児期には、養育にあたる大人が慰めてくれる。赤ん坊が泣けば母親は行って抱きあげ、落ち着く まであやしてやる。こうした情動調律の経験から子供は自分でも同じようにすればよいと学んで いく、と指摘する学者もいる。生後十ヵ月から十八ヵ月頃までの臨界期には前頭前野と大脳辺縁 系のあいだに急速に神経結合が作られて、前頭前野が情動ストレスの「入/切」スイッチとして 働くようになる。大人から慰めてもらう経験を重ねて自分の情動を静めることを学習した乳児の 脳ではこの回路がよく発達し、一生を通じて情動のコントロールがうまくできる、と推測されている。(『EQ こころの知能指数』ダニエル・ゴールマン p.345)

 

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