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発達心理学の棚

発達心理学を学んでやさしい人になる

発達心理学を学んでやさしい人になる

児童発達、発達心理学の参考にした本は主に次の4つです。たくさんの本を読みましたが、次の4つをお勧めします。

“わたし”の発達―乳幼児が語る“わたし”の世界
“わたし”の発達―乳幼児が語る“わたし”の世界』岩田純一

よくわかる情動発達
『よくわかる情動発達』遠藤 利彦, 佐久間 路子他

問いからはじめる発達心理学
『問いからはじめる発達心理学』坂上 裕子, 山口 智子他

子どもの心的世界のゆらぎと発達: 表象発達をめぐる不思議
『子どもの心的世界のゆらぎと発達』木下 孝司

 

使用した白石正久さんの著書は主に次の4つです。

「体(脳)」と「心」と「命」をどうお世話していったらいいのか、人が成長するとはどういうことなのか、知りたい方は読んでみてください。

発達の扉 子どもの発達の道すじ
『発達の扉 子どもの発達の道すじ』

障害の重い子どもの発達診断
『障害の重い子どもの発達診断』

子どものねがい・子どものなやみ―乳幼児の発達と子育て
『子どものねがい・子どものなやみ―乳幼児の発達と子育て』

発達相談室の窓から―障害児医療と発達相談『発達相談室の窓から―障害児医療と発達相談』

 

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ふつうのことをあたりまえに

学習塾をはじめようとおもった私は、ある日ある保育園を訪ねました。どうして学習塾と保育所に関係があるのでしょうか。。。ある保育士さんが1歳児の何人かに向かって絵本を読んでいました。案内してくれていた理事長さんが「ひとりの子に読んであげて」といいました。それからどれだけコドモの反応が変わったか。私は驚きました。世の中は生産性・合理性のために「みんな」でやることが多い。当たり前になってしまって、わからなかったことだが、私自身にも覚えがある。誰にも経験があるはずだ。本当に人生で大切なことを学ぶのは、目の前のひとりの人間と真剣に向かい合って、本気で言葉を交わしているときだ。そこにはいろんな感情があり、オモイがある。言葉のキャッチボールではナマヌルイ。拳を合わせる、お互いの力を、心を感じながら一言一言、手合わせをするような関係が、大切なものをつくる。私がもっと感動したのは、絵本を読んでいた保育者の後ろで、次に絵本を読んでほしそうに、ひとりの子が待っていたこと!1歳児の子です。2歳から5歳の異年齢保育の部屋に行ったときのこと。多くのコドモがわらべうたを歌っていたとき、一人の女の子が積み木を使って、みんなが歌っているのに合わせてリズムをとっていた。人の中にいくのが怖いのかもしれない。「じゃぁ一緒に行こうよ」というのではなく、僕は彼女と一緒に積み木を叩きに行った。後で理事長先生から「あの子はとても音に敏感でね、内向的で、保育者との関係もつくれていなかったんだけど最近になって」と。集団のなかに入れない子、フツウじゃない子はオトナと関係がもてずにひとりぼっちになりがちだ。彼女が友達と二人でお昼寝のベッドを部屋にもっていく途中「ちょっとまってよ!どうしてまってくれないの!」と友達から怒りの感情を受けていた。怒った子はふつうに「ちょっとまって!他のベットが邪魔で」とは言えない。もしかしたら、内向的な彼女はこういう経験を小学校に入ってからもしていくだろう。私は彼女の敏感さ、他の人とは違うことを大切にして、彼女の感じていることを大切にしてほしいとおもう。

ホメナイ。オダテナイ。

「もっと社会的になるように導く」などというのは、オトナのおせっかいだ。彼女には彼女の生まれがあって、生き方がある。コドモはコドモで悩みがある。オトナができることは、フツウな子にもフツウでない子にもフツウに接して、かかわり合いをもって、コドモの姿を、心のありさまをちゃんとみて、その子が目の前にいるときは真剣にその子と向き合うことだとおもう。彼女は彼女で生きている。オトナにできることは、彼女が彼女自身を大切にできるように、大切な人を、大切なこと、大切な心を守れるように、ちゃんと向き合って、ひとりの人間として関わることなんだとおもう。言葉は大切だ。たった一言で人を殺しも、生かしもする。言葉は重い。言葉を大切にして、心を大切にして、私はコドモと関わり合いたい。そんなオモイを忘れずにいたい。《otonone》はそんなフツウを目指しています。いろいろな理由でコドモは放課後の居場所を失っています。放課後クラブ・学童保育を探している方、otononeに来たいコドモ、一度遊びに来てください。

オトナはコドモからたくさんのものをもらっている

発達の仕方は人それぞれです。アインシュタインという物理学者は2歳になるまでナニも喋れなかったといいうくらいです。このオボエガキは「次にこの子はどんなことができるようになるんだろう。どんなふうに私は関わり合いを変えていったらいいんだろう。この子の成長を支えていこう」というように、コドモが自立していくことオトナが助けるヒントにしてほしいとおもってつくりました。6ヶ月から自分の免疫で生き始め、探求しながら親を離れ、歯も生え始めます。1歳では離乳し、自分で歩き、走り、コトバも使っていきます。「恥ずかしい」という新しい感情とも付き合っていく時期です。2歳からは尿意を自覚したり、服を自分で着脱する、オトナやコドモを模倣をしながら、ごっこ遊びをしながらコトバも鍛えていきます。胸式呼吸も始まり、ココロ・カラダ・コトバが一気に育っていきます。4歳になると永久歯が生え始めます。排尿は自立し、他人のことを気遣って、うれしくないプレゼントをもらっても笑えるようになります。親だけでなく、子供同士で関わり合いながら、他人との付き合い方を学んでいきます。9歳、11歳頃には女の子、男の子のカラダに性差が目立ち始めます。12歳では神経系統がオトナと同じくらいになり、13歳では永久歯が32本生えそろいます。どの段階でも、うまくいかないこと、嫌なことで、不安なことで、ココロが乱れた時、オトナがその都度、その段階に合わせて、いろんなコトバ・カラダ・ココロを伝えていきたいですね。コドモは自立していきます。オトナも成長し、役割を変えていくことが大切です。「コドモは成長したがっている。コドモは自立したがっている。」と思い、コドモの気持を手助けしていくことが大切です。オトナがコドモに学びのチャンスを与えるかどうかです。コドモはみな、成長したいのです。コドモが同反応するか、何をおもっているのか、よく関わり合いながら、よく見て、感じることが大切です。このオボエガキやインターネットの情報を見なくても、目の前のコドモとのかかわり合いの中で、コドモはたくさんのことをオトナに伝えてくれているはずです。コドモがしたそうなら、産まれた瞬間に歩かせてみてもいいのです!


『ノーマル・チャイルド』ロナルド・S・イリングワースより

 

“観察の鋭い親は、理解力と記憶力が発達していくのを多数の観点から観察することができる。10ヶ月の女児が、母親に「毛虫の本を見せてちょうだい」と言われたら、1ダース以上の本の中から探し出し、正しい本を即座に取り上げ、他の本でも同じ動作を繰り返した。この女児は、簡単な要求に応えることで、見て、見たものを知って、それを理解し、聞いて、耳を傾け、言われたことを理解し、指を使い、思い出し、協調し、集中し、興味を示し、うまく反応できたことをすばやく示したわけである”(p.148)

 

“意志の強い独立心のある子どもは、6,7ヶ月でスプーンを持たせないと食事をしない。ほしくない食べ物を食べさせようとしたり、したくないのに便器に座らせようとすると泣く。この時期に子どもが激しく泣くのは決まって、快適さ、愛情、安心感に対する子どもの基本的な要求に答えてあげないこと、子どもがせっかく新しくできるようになった生活上の技能を使わせる機会を与えないことに対してである”(p.270)

 

“1歳の誕生日を過ぎると、泣く回数は減ってくる。泣くのは、自我の発達と新しく見つけた興味との葛藤の結果であることが多くなる。泣く時は自分のプライドが傷つけられた結果のことが多くなる。子どもが自分でいろいろなことをできるようになったとき、例えば食卓の用意を手伝ったり、自分で衣服を着たり、排泄に注意したりすることであるが、独立心が旺盛である時は、干渉されると泣いて反応することが多い。子どもはだんだん自分のやり方を身につけていく。干渉されないで自分で遊びたいと思う。大人はしばしば不用意に子どもたちの遊びに割り込み、子どもを泣かせる結果になる。(略)軽く叩いたり、倒れたりして泣くのは、しばしば注意を引く行動である。遊んでいる最中に泣きわめくのは兄を困らせるのに絶好であることを知るようになる。それは無視したほうがよい”(p.270)

 

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